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2022.09.19

vol.3 発酵に魅せられて

豊かな自然に囲まれた岡山県真庭市

鳥取県との県境に位置し、蒜山高原をはじめ豊かな自然に囲まれた岡山県真庭市。
山々に囲まれたこの地は、美しい森林や高原があり昔から酪農業が多く、岡山県の三大河川のひとつでもある旭川の軟水に北房地区からは備中川の中硬水が流れ込み、豊かな水をたたえる場所でもあります。

全国的にも珍しい軟水と硬水の源流を持つこの地は、かつて醸造業も盛んに行われていましたが、時代の流れとともに減少。
大正時代には20軒あったという酒屋も、今ではわずか2軒となりました。

こうした事態に危機感を抱いた、「河野酢味噌製造工場」の5代目である河野尚基さん。
地元を盛り上げるべく立ち上がり、地元の発酵を生業とする醤油・酢味噌、酒蔵、チーズ工房、ワイナリーなど7社で作るチーム「まにわ発酵’s」を2012年に発足させ、地元発の食文化を伝える様々なイベントや商品開発を行っています。

ヒトとモノがサステナブルにつながり循環する営み

本来、同じ麹を扱う同業者同士で技術の開示はご法度でしたが、発酵仲間として協力し技術を共有しながら繋がりを深め、新しいモノを生み出し、真庭の魅力を発信し続けています。
河野さんは、「水の違いで生まれる多彩な食文化と、伝統技術、自然と歴史。この真庭の魅力を、“発酵”を通して発信していきたい」と仰います。

その「まにわ発酵’s」メンバーのコラボから生まれた商品がこちら。
酒蔵である辻本店の酒粕を3年寝かせ、それを河野酢味噌製造工場の伝統製法で発酵させ無添加の「赤酢」を生み出しました。また、ビール工場の美作ビアワークスでは、酒粕を香料として使用しオリジナル発泡酒を製造しています。
さらに、赤酢の製造後に残った酒粕の澱は蒜山の農園に土壌肥料として渡されるなど、真庭の地域事業者間でサーキュラーエコノミー(循環型経済)が出来上がっています。


「この赤酢のように、いい物を後世に伝えていくのも私たちの役割。発酵が香りや旨みを醸し出すように、まにわ発酵’sも人と人とのつながりを醸していけたらいいなと思っています。真庭の食と町の文化や魅力を次世代や、日本中に伝えていきたい。そして子供たちがこの真庭を誇りにに思ってくれたらいいですね」と仰る河野さんの表情は明るく晴れやか。

私たちGREENableは一つのオリジナルデザイン(蒜山に生息している動植物)に落とし込み、より多くの方にこのステキな取組みを知っていただきたいと思っています。
ヒトとモノがサステナブルにつながり循環する営みが形成されている、真庭の発酵文化をぜひ味わってみてください。

まにわ発酵's参加企業

■醤油・味噌・酢:㈲河野酢味噌製造工場 
■日本酒:㈱落酒造場
■日本酒:㈲辻本店
■ワイン:ひるぜんワイン㈲
■クラフトビール:美作ビアワークス 
■チーズ:イル・リコッターロ 
■チーズ:(有)蒜山ラッテバンビーノ

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